今日は、平成27年度 第33問について解説します。

平成27年度賃貸不動産経営管理士試験 第33

不動産証券化とプロパティマネジメントに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

 

①  プロパティマネジメント会社は、自らの業務に合理性があることについて、投資家に対し説明責任を果たすための客観的な根拠を常に準備しておかなければならない。


②  プロパティマネジメントは、投資家から委託を受けて、投資家のために行われる業務であり、プロパティマネジメントの業務のうち、調査・提案業務においては、投資家の投資判断に資することが求められる。


③  プロパティマネジメントは、投資を決定・実行し、借主管理、建物管理、会計処理等について、アセットマネジメント会社からの報告を受けて投資の状況を把握する業務である。


④  プロパティマネジメントの業務には、中・長期的な改修・修繕の計画を策定して実施するコンストラクションマネジメント(CM)も取り入れられはじめている。

 

 

解説

不動産証券化とプロパティマネジメントの役割に関する問題です。

 

それではさっそく選択肢を確認しましょう。

 


選択肢 ①

プロパティマネジメント会社は、自らの業務に合理性があることについて、投資家に対し説明責任を果たすための客観的な根拠を常に準備しておかなければならない。

 

〇適切です。

プロパティマネジメント会社は、調査・提案の対象である投資家が常に入れ替わる可能性があるため、不特定の相手方に対しても納得を得られるよう、論理的な説得力と客観的な資料や根拠を準備する必要があります。
これにより、自らの業務に合理性があることを示し、説明責任を果たすことができます。

選択肢の説明通りですので、この選択肢は適切です

 


選択肢 ②

プロパティマネジメントは、投資家から委託を受けて、投資家のために行われる業務であり、プロパティマネジメントの業務のうち、調査・提案業務においては、投資家の投資判断に資することが求められる。

 

〇適切です。

形式的には、プロパティマネジメント会社はアセットマネージャーから委託を受け、その指示に基づいて業務を行います。
しかし、アセットマネージャー自体が投資家の代理人として投資を運用しているため、プロパティマネジメント会社の業務は最終的に投資家の利益のために行われるものです

また、選択肢の説明の通り、調査・提案業務においては、投資家の投資判断に資することが求められますので、この選択肢は適切です。

 


選択肢 ③

プロパティマネジメントは、投資を決定・実行し、借主管理、建物管理、会計処理等について、アセットマネジメント会社からの報告を受けて投資の状況を把握する業務である。

 

×不適切です

プロパティマネジメントは、実際の賃貸管理・運営を行うことをいいます。

また、アセットマネジメントは、投資家から委託を受けて、①総合的な運用計画の策定、②投資を決定・実施、③PM会社への業務委託、④PM会社から報告を受けて投資状況を把握し、⑤現実の管理・運営の指示、⑥売却による投下資金回収という一連の業務です。

つまり、アセットマネジメントは、投資を決定・実行し、借主管理、建物管理、会計処理等について、プロパティマネジメント会社からの報告を受けて投資の状況を把握する業務です。よってこの選択肢は不適切です。

 


選択肢 ④

プロパティマネジメントの業務には、中・長期的な改修・修繕の計画を策定して実施するコンストラクションマネジメント(CM)も取り入れられはじめている。

 

〇適切です。

中・長期的な建物・設備の改修・修繕計画を策定・実行するコンストラクションマネジメント(CM)もプロパティマネジメント業務に取り入れられつつあります。

選択肢の説明通りですので、この選択肢は適切です。

 


 

以上から、正解は選択肢③となります。

 

 

ぜひ関連解説もあわせてご確認いただければと思います。

 

★関連解説★

プロパティマネジメントとアセットマネジメント(R2年 第45問)

不動産証券化と管理業者(R2年 第50問)

プロパティマネジメントとアセットマネジメント(R4年 第50問)

不動産証券化(R5年 第50問)

 

2025年度版 一発合格まとめシート おかげさまで好評販売中!

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA